稲毛デンタルクリニック

歯周病治療の費用はどのくらいかかる?
進行度別の目安と保険・自費の違いについて

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「歯ぐきから血が出る」「歯がグラグラする」といった症状で、歯医者に行かなければならないと分かっていても、どうしても足が向かない理由の1つが「費用の不安」です。

結論からお伝えすると、歯周病治療の費用は一律ではなく、進行度・治療内容・保険か自費かによって大きく変わります。

本記事では、歯周病治療の費用に幅が出る理由を整理したうえで、保険診療と自由診療(自費)の違い、進行度別の費用目安について、専門的な視点からわかりやすく解説します。

歯周病治療の費用は「数千円〜数十万円」まで幅がある

沈黙の病気である「歯周病」

歯周病治療の費用は数千円で済むケースもあれば、治療内容によっては数十万円に及ぶこともあります。この大きな差は決して不透明な請求によるものではなく、「どの段階で・どこまで治療するか」によって治療内容が異なるためです。

歯周病治療は1回で終わらない

小さな詰め物をして1回で終わることもあるむし歯治療とは異なり、歯周病治療は1回の通院で完了する治療ではありません。これが「いつの間にか費用がかさんでいる」と感じさせる一因でもあります。

歯周病は、お口の中の細菌(歯垢)によって引き起こされる感染症で、生活習慣の影響も受けやすい病気です。そのため、治療は以下のようなプロセスを段階的に踏む必要があります。

このように、「検査 → 治療 → 評価」というステップを繰り返すため、通院回数に応じて費用が積み重なっていく構造になっています。

治療費に差が出る3つの要因

具体的に歯周病治療の費用を大きく左右するのは、検査結果をどう読み取り、どの治療を選択するかに関わる以下の3つの要因です。

歯周病の進行度

軽度であれば数回の治療で済みますが、重度になると外科手術や歯周再生療法が必要になり、治療期間も年単位になることがあります。

治療内容の違い(保険診療か自由診療か)

国の定めたルール内で行う「保険診療」か、より高性能な材料や高度な技術を用いる「自由診療(自費)」かによって、費用負担の割合や単価が大きく変わります。

診断・治療方針の違い

「どの歯を残し、どの歯の保存が難しいか」「どのタイミングで外科処置を行うか」といった判断は、歯科医師の診査・診断に大きく左右されます。

診断が的確であれば、必要な治療に優先順位をつけながら、無理のない形で改善を目指すことが可能です。一方で、病状の評価や治療計画が十分でない場合、治療期間が想定以上に長引き、結果として通院回数や費用の負担が増えてしまうことがあります。

そもそも歯周病とは? 費用を左右する基礎知識

歯周組織再生療法:GTR(GuidedTissu Regeneration)法

費用を正しく理解するうえでは、はじめに歯周病という病気の性質を理解しておくことが大切です。ご自身の状態がどの段階にあるかをイメージすることで、費用の目安がわかりやすくなります。

歯周病は段階的に進行する

歯周病は、細菌感染によって歯ぐきに炎症が起き、やがて歯を支える骨(歯槽骨)が溶けていく病気です。 次のような段階を踏んで進行するのが特徴で、ステージが進めば進むほど、治療の難易度は上がり、費用も高くなります。

歯肉炎

歯ぐきだけが腫れている状態。骨には影響がない。

軽度歯周炎

歯を支える骨が溶け始めた状態。歯周ポケットは3〜4mm程度。

中等度歯周炎

骨の破壊が進み、指で押すと歯が動くことがある。歯周ポケットは4〜6mm程度。

重度歯周炎

骨の大半が溶け、歯がグラグラして噛めない。自然に抜け落ちる寸前。歯周ポケットは6mm以上。

自覚症状が少ないまま進行しやすい

当院が考える“良い歯科医院”とは?

歯周病の最大の問題点は、「サイレントディジーズ(沈黙の病)」と呼ばれるほど自覚症状が少ないことです。 初期では痛みがほとんどなく、「歯磨きのときに血が出る」「なんとなく歯ぐきがムズムズする」といった症状を放置しているうちに、静かに進行していきます。そのため、気づいたときには治療範囲が広がっており、結果的に費用がかさんでしまうケースが後を絶ちません。 「もっと早く来れば安く済んだのに」という事態を避けるためにも、小さなサインも見逃さず、早期に対処することが大切です。

歯周病治療は保険適用される?自由診療(自費)との違い

日本の歯科医療では、歯周病治療の多くが保険適用となります。しかし、より高度な治療を求める場合には「自由診療(自費)」という選択も可能です。

保険で対応できる歯周病治療

日本においては、標準的な歯周病治療のほとんどが健康保険の対象となります。
国が定めた手順と材料を用いて行い、全国どこの歯科医院でも一律の料金(点数)で受けられるのが特徴です。

【保険適用となる主な治療】

  • ●基本検査:歯周ポケット検査、レントゲン撮影、口腔内写真など。

  • ●歯周基本治療:プラークコントロール(歯磨き指導)、スケーリング(歯石除去)、SRP(歯ぐきの中の歯石除去)。

  • ●歯周外科治療:フラップ手術(歯ぐきを切開して深部の汚れを取る手術)や、一部の歯周組織再生治療(リグロスなど)。

●抜歯:保存不可能と判断された歯の抜去。

自費になる歯周病治療

一方で、保険の枠組みを超えた治療を行う場合は「自由診療(自費)」となります。これは、全額自己負担となる代わりに、使用する薬剤、材料、かけられる時間に制限がなくなります。

【代表的な自由診療】

●歯周組織再生療法

    • 溶けてしまった骨を再生させるための特殊な薬剤(エムドゲイン・リグロスなど)や、人工骨(メンブレン・骨補填材)を使用する手術。
      ※一部の薬剤(リグロス等)は条件付きで保険適用されますが、適応症例が限られる場合や、より広範囲な再生を目指す場合は自費になることがあります。
    •  
    • ●レーザー治療
    • 殺菌や治癒促進のために特殊なレーザー機器を使用する場合。

    • ●歯周形成外科
    • 下がってしまった歯ぐきを移植して見た目を回復させるなど、審美的な改善を含む手術。

    • ●特殊な検査
    • 細菌のDNA検査(PCR検査)などで、菌の種類を特定する場合。

保険と自費、どちらを選ぶべき?

保険か自費かは、「どちらが良い・悪い」で決めるものではありません。症状の進行度や治療のゴール、将来的な再発リスク、さらにご自身の希望を踏まえ、十分な説明を受けたうえで選択することが重要です。

保険診療でも歯周病の進行を食い止めることは十分に可能ですが、以下のような場合には自由診療を検討するのも方法の1つです。

大切なのは「安さ」だけで選ぶのではなく、将来的な再発リスクや「自分の歯をあと何年持たせたいか」という長期的な視点で選ぶことです。

当院では、保険・自費それぞれのメリット・デメリットをしっかりご説明し、患者様が納得して選択できるようサポートします。

【進行度別】歯周病治療にかかる費用の目安

実際に治療にかかる費用の目安を進行度別にまとめました。金額は3割負担の場合の概算です。お口の状態や検査内容により変動しますので、あくまで目安として捉えてください。

※横にスクロールして確認できます。

進行度 主な治療内容 費用の目安 治療期間 補足
歯肉炎・
軽度歯周炎
  • 基本検査
  • ブラッシング指導
  • 歯石除去(スケーリング)
  • 必要に応じてSRP
数千円〜1万円程度
(保険診療・3割負担)
数週間〜1ヶ月程度 早期に対応できれば保険診療のみで完結するケースが多い
中等度歯周炎
  • 歯周基本治療(スケーリング・SRP)
  • 状態により歯周外科治療
数万円程度(保険)
※治療内容により自費追加あり
3ヶ月〜半年程度 外科治療が必要かどうかで費用が変動する
重度歯周炎
  • 歯周基本治療
  • 歯周外科治療
  • 歯周組織再生療法(自費)
  • 抜歯を伴う場合あり
数万円〜数十万円 半年〜1年以上 抜歯になった場合のその後のインプラント・ブリッジの費用が別途発生し、総額が大きくなる場合も

歯周病治療で後悔しないために

歯周病治療を検討する際、「なるべく費用を抑えたい」と考える方は少なくありません。しかし、治療内容や診断の質を十分に理解しないまま判断してしまうと、再発や治療のやり直しによって、かえって負担が大きくなることもあります。

「費用」だけで治療を選ぶリスク

費用だけを基準に治療を選ぶと、再発ややり直し治療によって、結果的に負担が増える可能性があります。また、コストを気にして表面的なクリーニングだけで終わらせてしまった結果、歯周病が重症化して抜歯に至ってしまうケースも少なくありません。

目先の数千円を節約した結果、将来的に大切な歯を失い、高額な治療費を払うことになるのは本末転倒です。

「誰が診るか」で結果と費用が変わる

歯周病治療は、歯科医療の中でも特に専門性が高い分野です。「どの程度の進行度か」「本当に抜歯が必要か、それとも再生療法で残せるか」という診断は、歯科医師の知識と経験によって大きく異なります。

 

歯周病治療に精通した専門医・認定医であれば、正確な診査診断に基づき、
 「保険でここまで治せる」
 「このケースは自費の再生療法を使えば、抜歯を回避できる可能性が高い」
 といった、精度の高い選択肢を提示できます。

適切な診断は無駄な治療を省き、結果として患者様の身体的・経済的負担を最小限に抑えることにつながります。

費用の不安を解消し、安心して治療を始めるために

以上のように、歯周病治療は早期に始めるほど費用は安く、重症化すると治療も複雑化して高額になる傾向があります。大切なのは、「いくらかかるか」という不安を抱えたまま放置せず、根拠に基づいた説明をしてくれる専門家に相談することです。

当院では日本歯周病学会専門医・認定医が現状を正確に評価したうえで、保険診療・自由診療を含め、お一人おひとりに適した治療法をご提案できる体制を整えています。

「費用が不安」「他院で抜歯と言われたが諦めきれない」という不安やお悩みを、まずは私たちにお聞かせください。的確な診断こそが、ご自身の歯と資産を守る第一歩となります。

【自由診療に関するご案内】
 本ページでご紹介している歯周組織再生療法(エムドゲイン等)は、健康保険が適用されない自由診療です。

■標準的な費用
 ※症例や治療範囲により費用は異なります。

■主なリスク・副作用
 手術後に腫れや痛み、出血を伴う場合があります。
 治癒の経過には個人差があります。
 ※治療内容や適応については、事前に十分な説明を行ったうえでご提案いたします。
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