稲毛デンタルクリニック

歯周病検査で何がわかる? 無症状でも受けるべき理由と具体的な検査内容

perio_inspection
審美治療とは?

歯ぐきの腫れや出血など、とくに困っている症状はないものの、将来の歯周病に漠然とした不安を感じている方は少なくありません。一方で、いざ検査と聞くと「症状がないのに必要なのか」「何をされるのか分からない」などの理由で、受診をためらう方も多くいらっしゃいます。 しかし、歯周病は自覚症状が乏しいまま進行する病気であり、見た目や感覚だけで現在の状態を正確に判断することが難しいという特徴があります。そのため、できるだけ早い段階で現在の状況を把握し、今後の予防や治療につなげることが大切です。 本記事では、日本歯周病学会の専門医・認定医が在籍する当院が、歯周病検査の目的や具体的な検査内容、検査を受ける目安、検査結果の活かし方などを解説します。

歯周病検査はなぜ必要か?

歯周病検査の目的は、単に病気の有無を調べるのではなく、現在の歯ぐきや骨の状態を正しく把握することにあります。まだ症状のない段階で検査を受けることで、自分では気づけない隠れたサインを見つけることができます。

気づかないうちに進行する病気

歯周病は「沈黙の病」ともいわれる病気で、歯ぐきの中で炎症が広がり、歯を支える骨が破壊されていく過程において自覚症状が極めて乏しいのが特徴です。

痛みや歯の揺れ、大きな腫れといった明らかな症状が出たときにはすでに重症化して、抜歯を避けられない状態であることも珍しくありません。「痛くないから大丈夫」という自己判断は、歯周病においては最もリスクが高いと言えます。そのリスクを回避し、手遅れになる前に食い止める手段の1つが「歯周病検査」です。

肉眼では見えない「歯ぐきの中」と「骨」の状態を知る

歯周病は、歯と歯ぐきの間にある「歯周ポケット」の深い部分や、さらにその下にある「歯槽骨(しそうこつ)」という骨の中で静かに進行していきます。

目で見てわかる歯ぐきの変化も歯周病の重要なサインですが、それだけで進行度を測ることはできません。深い位置の汚れや骨の破壊の程度は、レントゲンや専門的な器具を用いた検査が必須となります。

痛みの出にくい病気だからこそ、「今のところ問題はない」と感じている段階でリスクの有無や今後注意すべき点を把握できるのが、歯周病検査のメリットです。

歯科検診と歯周病検査の違い

一般的に行われる「歯科検診」と、歯周病に特化した「歯周病検査」は、その目的と精度において大きな違いがあります。

一般的な歯科検診で分かること

自治体や企業、歯科医院で行われる一般的な歯科検診は、「むし歯の有無」や「詰め物・被せ物の状態」「噛み合わせの状態」などを主にチェックしています。

歯周病についても簡易的なチェックは行われますが、「問題がありそうかどうか」を大まかに確認するためのもので、進行の程度まで詳しく知ることは難しいのが実情です。

歯周病検査で重点的に調べるポイント

歯周病検査は、歯を支える歯ぐきや骨の状態を客観的な数値や画像で記録することに特化しています。後述する「歯周ポケットの深さ」をミリ単位で測定するほか、「炎症の活動性」「歯の揺れ」「骨の吸収の程度」などを総合的に診ていきます。

単に「歯周病かどうか」を調べるだけでなく、「どの歯のどの部位が、どの程度進行しているのか」を詳細に評価していく点が、一般的な歯科検診との大きな違いです。

歯周病検査では何をする?主な検査内容

歯科医院で行う歯周病検査では、いくつかの基本的な項目を組み合わせて、お口の状態を多角的に確認していきます。

歯周ポケット検査(プロービング検査)

歯周病検査において、基本的かつ重要な検査です。「プローブ」と呼ばれる細い目盛りのついた専用器具を使い、1本の歯につき6ヶ所の歯周ポケットの深さを測定します(6点法)。

健康な歯ぐきの溝の深さは1〜3mm程度ですが、歯周病が進行するとこの溝が深くなり、4mm以上になると治療が必要なレベルと判断されることが多くなります。

また、測定時の出血の有無も重要な指標です。出血があるということは、その部分で現在進行形(活動性)の炎症が起きていることを意味しており、見た目の深さ以上にリスクが高いと診断されます。

プラーク付着率(PCR)検査

歯ぐきの内側にある骨(歯槽骨)の状態を確認するためには、レントゲン検査が不可欠です。

パノラマレントゲン

お口全体を大きく一枚の画像で写し出すレントゲンです。歯並び全体や骨の状態、親知らずの状態などを大まかに把握する際に適しており、多くの歯科医院で導入されています。

デンタルレントゲン(10枚法・14枚法)

より精密な診断が求められる場合、歯を数本ずつ細かく撮影する手法(10枚法・14枚法)が行われます。歯の根の形や骨の溶け方、歯石の付着状況、目に見えない部分の小さな病変までを詳細に写し出せるのが特徴です。

手間と専門的な読影力を要する検査ですが、正確な診断と治療計画を立てるうえで非常に有用な情報源になります。

歯の動揺度(ぐらつきの評価)

ピンセットなどの器具を使って歯を前後・左右・上下に動かし、どの程度の揺れがあるかを0〜3度の4段階で評価する検査です。揺れが大きいほど歯を支える骨が失われて土台が弱くなっていることを示し、将来的にその歯を残せるかどうかを判断する重要な材料となります。

口腔内写真

お口全体をカメラで撮影し、視覚的な記録を残します。歯ぐきの色や形、腫れ具合など、数値だけでは伝わりにくい細かな変化を術前・術後で比較できるため、治療の効果を客観的に確認する際に有効な資料となります。

必要に応じて行われる追加検査

先の基本的な検査にくわえ、症状や患者様の要望に応じて、さらに詳細な検査を組み合わせることがあります。

歯科用CT

3次元的な立体画像で骨の厚みや形を精密に把握します。

細菌検査

  • お口の中に潜む菌の種類や数を調べ、発症リスクの評価の参考にします。

唾液検査

唾液に含まれる成分から、歯周病菌への抵抗力や口内の環境を判定する参考にします。

歯周病検査で気になる痛みと時間・費用の目安

歯周病検査に関心はあっても、「痛そう」「費用が不安」などの理由で受診をためらう方も少なくありません。実際の検査の流れや費用の仕組みを正しく知ることで、受診への心理的なハードルを下げることができます。

検査時の痛みについて

歯周ポケット検査において、器具をポケットに入れる際に多少のチクチクとした感覚を伴うことがあります。とくに、歯ぐきの炎症が強い場合は痛みを感じやすくなりますが、検査時の出血や痛みは、現在炎症が起きている場所を特定する手がかりになります。とはいえ、多くは一過性のものであり、麻酔が必要なほど強い痛みを伴うことはほとんどありません。

検査にかかる時間の目安

初回の場合、問診やレントゲン撮影、歯周ポケット検査を含め1時間程度の時間を要するのが一般的です。検査項目が限定されている場合や、定期メンテナンスの一環として行う場合は、これより短時間で終わることもあります。

保険診療で行える検査と費用の目安

歯周病検査の多くは、保険診療の範囲内で行うことができます。

歯周ポケット検査やレントゲン検査など、基本的な項目は保険適用となるケースが多く、おおよそ2,000円〜5,000円前後が1つの目安になります(3割負担の場合)。検査項目が多い場合や、デンタルレントゲンを複数枚撮影する場合でも、6,000〜8,000円程度に収まるのが一般的です。

一方で、検査内容は一律ではなく、症状や目的によっては追加検査が行われる場合もあります。歯科用CT撮影や細菌検査など、より詳細な評価を目的とした検査については自由診療(自費)になる場合もあるため、事前に確認しておくことが重要です。

※お口の状態や、同日にクリーニング等の処置を行うかどうかで費用は多少前後します。

歯周病検査を検討したい人と受診の目安

歯周病は成人の多くがその予備軍といわれる一方で、自覚症状に乏しく、受診のタイミングを見逃しがちです。何かしらの症状が出てからではなく、症状がない段階で検査を受けることが、将来の歯の健康を大きく左右します。

症状がなくても検査を受けておきたい人

歯周病検査は、症状の有無や日々のケアを評価するものではなく、今のお口の状態を確認するための検査です。現在はとくに症状がない場合でも、以下に当てはまる方には歯周病検査をおすすめします。

30代以降で歯周病検査を受けたことがない

歯周病は年齢とともに発症リスクが高まる傾向があります。30代以降で一度も歯周病検査を受けたことがない場合、現在の状態を把握しておくことが、将来の予防につながります。

定期的な歯科受診の習慣がない

数年単位で歯科医院から足が遠のいている場合、自覚症状がなくても歯周病が進行しているケースがあります。検査によって、問題の有無を客観的に確認できます。

過去に歯ぐきの出血や腫れを経験している

一時的に症状が落ち着いていても、歯ぐきの内部では変化が残っている可能性があります。過去のサインを見逃さず、検査で現状を把握することが重要です。

早めの検査が望ましい人

「口臭が気になる」「歯ぐきが下がってきた」「歯と歯の間に物が詰まりやすくなった」と感じる場合、歯周病の進行と関連している可能性があります。これらの変化は日常生活の中で徐々に起こるため、見過ごされやすい点が特徴です。

さらに、家族に歯周病で歯を失った方がいる場合、生活習慣や体質の影響を受けやすい可能性も考えられます。

こうしたケースでは、症状が軽いうちに検査を受けることで将来的なリスクを把握し、適切な対策をとることができます。

歯周病検査の結果をどう活かす? 治療と予防の考え方

歯周病検査は、すぐに治療を始めるためのものではありません。検査によって現在のリスクや必要な対応の範囲が整理されることで、状態に応じた予防やケアを選択しやすくなります。

検査結果から分かること

歯周病検査によって、現在の進行状況(歯肉炎・軽度・中等度・重度)や歯ぐき・骨の状態が数値や画像として明らかになります。これにより「すぐに専門的な治療が必要な段階なのか」「メンテナンスで現状を維持できるか」などを判断することが可能です。

歯科医師の経験や感覚ではなく、客観的な数値やデータをもとに現状を理解できるのが、歯周病検査の大きなメリットです。また、精密な検査データは不必要な治療や抜歯を避け、患者様一人ひとりに適切な治療法を選択する重要な判断材料になります。

検査結果に基づいた予防・治療計画

検査結果をもとに、一人ひとりの状態に合った予防プログラムや治療計画を組み立てます。

軽度の場合

プロによる専門的なクリーニングと、汚れが溜まりやすい箇所に絞ったブラッシング指導を中心に、健康な状態への回復を目指します。

中等度〜重度の場合

歯ぐきの奥深くにこびりついた汚れを専用器具で除去する処置や、必要に応じて外科的なアプローチを検討し、進行を食い止めます。

ただし、同じ検査結果であっても、その後の判断は歯科医師の知見や専門性によって異なる場合があります。正確な検査と多角的な評価があることで、過不足のない対応が可能になります。

歯周病検査は将来の歯を守るための第一歩

当院のむし歯治療の特徴

歯周病検査は治療を始めるためのものではなく、今の状態を正しく知るための重要なステップです。 自覚症状が乏しい歯周病は、「問題はなさそう」という感覚だけで判断すると、その後の対応が遅れてしまうことも少なくありません。しかし、検査によって現状を正確に把握できれば、必要以上に不安になることなく、納得して次の行動を選べるようになります。 当院では日本歯周病学会の専門医・認定医が検査結果を多角的に評価し、患者様の状態に応じた予防や治療の考え方を丁寧にご説明しています。「このままで大丈夫か不安」「今の状態を知りたい」など、お気軽にご相談ください。

pagetop